有機性ヨードは、大正時代の初期に活躍された薬学の大家として名高い牧野民蔵先生と千代蔵先生が開発した成分です。
お二人がなぜ有機性ヨードの開発に至ったかといえば、ヨードもしくはヨウ素ともいうこの物質が、私たちの体の主要原料であったためです。
日本は海に囲まれた国であり、ヨードを含む昆布やヒジキを食べる習慣があったため、ヨード不足でトラブル出る人はほぼいませんでした。
しかし、チベットやモンゴルなど山間地域などでは、トラブルが起こっており、ヨード不足に悩む世界の人々を救いたい一心で研究に没頭されたのです。
単純に考えると海藻を輸出すればいいように思いますが、吸収力が落ちた状態では意味がありません。
かといって、海藻から抽出していては、世界的なヨード不足に対応できず、もっと大量かつ安定的に製造することが求められました。
そんな折、天然ガス採取のために地下から汲み上げたかん水に、無機性ヨードが含まれることが分かりました。
ですが、無機性ヨードは人体に有害であり、そのままでは利用できません。
様々な研究によって無機性ヨードを人体に安全な成分に変換させた成果が、有機性ヨードなのです。
この変換は世界でも稀に見る功績で、現在でも不可能とさえ言われている偉業です。
ヨード不足に悩む国へと輸出が始まりましたが、現在では、食生活の変化でヨードが不足しがちな現代日本人にも愛用されています。